大丈夫じゃ、薄いかもしれない。

あれ?

 「スリッパ」?

 

 畳が余計にすり切れ……

 あれ! コンクリートが……

 「打ちっぱなし」?

 「バカラガラス」?

 「ゴディバのチョコ」?

 「バス部屋」ーーーーー!?

 なんで絵空事原様の持ち家に銭湯があるんだ。

 しかも「バス部屋」なんて、Englishで書いてあるんだ。

 あー、それに……

 なんてことだ。

 「茉莉」に「エンゲージリング」

 絵空事原様に、彼女なんてできたらいけないんだ。

 絵空事原様は、貧乏なままのほうがいいんだ。

 そのほうが、相応しい詩が書き込めるに決まっているんだから。

「うー、うー、うー……」

 あー……

 いかんせん。

 こういう正式、わたしの汗と涙と、つばで、二度と一品にならない。

 買わないと。

 だけど、買いたくない。

 いかんせん。

 この先……

 いかんせん。

 ともかく明るく生きて来れたのは、絵空事原様がいたからだった。

 それなのに……

 それなのに……

 絵空事原様は裏切った。

 あたいに志望をもたせておいて、裏切った。

 あたいはもはや……

 禁止かもしれない。

 既に……

 こういう正式は、買わずに帰ろう。

 こんなの買ってたまるか。

 ……あれ? あの人、何やってんだろう。

 三メートルくらい先の先。エッチな写真集が年中並んでいる角の前にどんどん立っていた生徒アパレルの男子。恋人が弱みに置いていたリュックの中に、はじめ冊の写真集を詰めていらっしゃる。

 え!? そんな堂々と……

 リュックに押し込んでいる。

 あ! チャックを閉めた。

 万引き?

 でももしや、リュックに入れて持ち帰れるか何とか、確かめてるだけかもしれない。

 確かめた上に……

 あぁ……レジを素通りして行った。
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 大丈夫じゃ、薄いかもしれない。

カゴに入れちゃだめだよ。

そして、次回はからずも絵空事原様に会うようなことがあったら、言って講じる。

 「救ってもらえるふりをして裏切るなんて、陳腐です。わたしの天命、あなたのせいでメチャクチャです」と。

 悪いことをやる覚悟は、すでについた。

 サッと菓子パン店を探した。

 そこで、桃色のかわいい蒸しパンを見付けた。

 ここに決める。

 ……えい!

 あたいは、その桃色の蒸しパンを、包みの前述から、人差し指で押してやった。

 勤め契約。

 これでこれから、こういう蒸しパンは一品にならない。最適取引障害です。泥棒と貫く。

 ここはターミナルビルの本屋と違って、私服防御員がいらっしゃる可能性が高い。

 夕刻の通報プランで観たことがある。注文をやる客人のふりをした私服防御員が、食べ物店で万引き犯を捕まえておる事態を。

 そういうリスクの厳しいゴールで、あたいは蒸しパンを、盗まないまでも一品にならなくしてやった。

 これはもう、最適万引きではないか。

 本日二度目の万引き。

 天命二度目の万引き。

「……痛っ」

 ヤツがどうにかワルになった潤いを噛み締めているというのに、祖先たら、ぶつかって欠けるでほしい。

 ……って、あれ?

 祖先、その蒸しパン……

 だめだよ。

 

 それはもっと、一品じゃないんだから。あたいが一品じゃなくしてやったんだから。 祖先が買ったら、最適一品に向かうでじゃないか。

 待って、祖先……

 あぁ……

 祖先は、蒸しパンをカゴに入れて、行ってしまった。アヤナスの口コミ体験談

カゴに入れちゃだめだよ。

だから畳にスリッパは禁止だって

今日からそれが四冊に至る。

 ……あぁ、ドキドキする。

 今度の詩集にも、あの持ち家は生まれるだろうか。

 あの……

 「バラック」は!?

 「赤いトタン屋根」や、「雨ざらしの物干し竿」も、生まれるだろうか。

 それに、「日焼けした畳」の上の「万年床」も。

 絵空事原様ほどスキルの生じるヤツが貧乏人なんて、国家、異なる。

 著名詩人の名前の付いた賞を取ったところで、書物と違って詩はとても売れないこの世の中、異なる。

 その間違った国家で、絵空事を追い積み重ねる絵空事原様は有難い。

 夕飯の惣菜が「目刺しのみ」でも、誰も絵空事原様の誘引に気付かなくて「童貞」でも、持病の「系統」が相当でも、詩を書き積み重ねる絵空事原様は素敵だ。

 あぁ、だけど、次回次回……

 絵空事原様にハピネスが訪れますように。

 みんながきちんと絵空事原様の良さに気付いて、絵空事原様が、優しい布団と容易い彼女を持てるお天道様がしまう……

「あ!」

 あった。ビビッ。

 絵空事原様の新着詩集。

 あぁ、バラック……

 じゃない!

 「ベッド」?

 ひとつ目の詩に、「ベッド」ってキーワードが……

 どうしてです?

 なんで貧乏な絵空事原様が、ベッドなんてお宝を所有しているんだ。

 バラックに、ベッドが似合うはずがない。

 お天道様に焼けた畳の上に、ベッドなんて置いたらいけないんだ。エターナルラビリンスで脱毛するなら

だから畳にスリッパは禁止だって

想像していた通りの要請原様が、最近、目の前に掛かる。

でも動けない。

 立ち上がれない。

 息苦しい。

 暑いからです。

 夏季だからです。

「うーうーうー」

 ……う?

 

「ちゃん、どうした?」

 門から出てきた誰かに声をかけられた。

 父親の意見。

 なんでもないのに。

 暑いだけなのに。

「具合でも乏しいのか?」

 暑くて息苦しいだけなのに。

「何か見つけ出し製品だったら、手伝うぞ」

 何も無い。

 そっとしておいてほしい。

「連れはいないのか?」

 白紙。

 あたいにはもう一度要請原様もいない。

「こういう家屋に事態があるのか?」

 要請原様なんて……

「バラックに住んでない要請原様なんて……うわーん。ヒックヒック」

 痛ッ!

 男の人がそっとしておいてくれないから、逃げようとして立ち上がった。

 そうしたら、難点がふらついて尻もちをついてしまった。

 踏んだり蹴ったりです。

 えっ?

 ボディーに触れられた。

 痴漢?

 じゃ薄い。抱き起こしてくれたんだ。

「万全か? 立っていられるか。ゲンコツを放すぞ」

「はい……」

 え?

 あ! 待って、だって……

「あたたたたたッ」

 また尻もちをついてしまった。

 でもそれどころじゃない。

 尻もちをついた通り下がる。

 だって、あたいを抱き起こしてくれた個人は……

 あたいにわずか一瞬前まで触れていた個人は……

「要請原様!!」

 尻もちをついた通り、要請原様の面持ちを真っ正面から見分ける。

 整った顔立ち。外見から流れ出る知性。

 

「ち、違うぞ。俺は要請原では弱い」

 要請原様も往生際が低い。

 あたいは要請原様に、出会ってしまった。
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想像していた通りの要請原様が、最近、目の前に掛かる。